Bonjour!
日本国内で観賞できるフランス美術を紹介したいと思います。
今日は、フランス19世紀に活躍したジャン=フランソワ・ミレーJean-François Milletについて!
ジャン=フランソワ・ミレーはバルビゾン派を代表する画家で、農村や農家の日常を描いた作品で有名です。「バルビゾン」とは、フォンテーヌブローの森の近くの村の名前です。
ミレーやコローなど多くの画家が都会からバルビゾンに移住し、共に活動していました。
ミレーの代表作と言えば《種を蒔く人》。
なんと、山梨県立美術館の常設展で観ることができます!
山梨県立美術館は、他にも《落ち穂拾い》《夕暮れに羊を連れ帰る羊飼い》など、ミレーの傑作を多く所蔵しています。
ミレーの他にも、バルビゾン派や19世紀の西洋絵画を多く所蔵しており、公立では珍しい西洋美術館です。(もちろん山梨県ゆかりの作家の作品もあります!)
1978年に開館した山梨県立美術館ですが、バブル全盛期の日本は、美術館建設ブームが巻き起こっていました。
山梨県は、厳しい自然の中で逞しく生きる姿を描いたミレーの作品に、農業を土台とする山梨の風土との親近感を覚え、作品の購入に踏み切ったのだそうです。
バブル期と言えど、高額な有名作品の購入に反対する声もありましたが、バルビゾン派を中心に収蔵を進めた山梨県立美術館は、現在でも「ミレー美術館」として親しまれています。
さて、山梨県立美術館が所蔵する《種を蒔く人》ですが、実は、ほぼ同じ構図の作品がアメリカのボストン美術館にもあります。
山梨県立美術館の作品は、2000年代の修復の際に東京藝術大学で詳細な科学調査が行われており、描き直しの痕跡や使用された絵具など、多くのことが明らかになり、ボストン美術館の作品との比較も行われています。
山梨県立美術館では、修復と科学調査の映像が美術館で公開されていることもあります。(常設かどうかはわかりません。)
ぜひ、見比べてみてください!
山梨県立美術館は、緑豊かな敷地、ロダンやブールデルなどの屋外彫刻作品、併設する文学館など、見どころがたくさんありますよ。特に、天気の良い日がおすすめです。
コロナ禍が長引いて海外旅行が遠のいている今こそ、日本の美術館巡りをしてみませんか?